音楽売上世界一のUMG、第2四半期も増収増益 無料配信は減速

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米ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)は7月24日、第2四半期(4〜6月)の売上高(恒常為替レートベース)が前年同期比9.6%増の29億3,200万ユーロになったと発表した。全体としては市場予想を上回ったが、サブスクリプション売上(※有料ストリーミング配信)・ストリーミング売上(※無料ストリーミングにおける広告売上の分配)に限ると期待に届かなかった。

売上高を部門別に見ると、音楽ソフトは22億ユーロで実質6.8%拡大した。うち、サブスク売上は6.9%伸びたものの期待値に届かず(11.37億ユーロ。期待値は11.79億ユーロ)、ストリーミング売上も3.9%縮小の3.43億ユーロに。ダウンロード・その他デジタルは18.6%落ち込んだ。フィジカルは14.4%、ライセンス・その他は18%それぞれ増えている。

音楽出版は10.4%伸び、マーチャンダイズは43.7%拡大した。

EBITDA(利払い・税引き・償却前利益、特別損益除く)は11.3%増の6億4,900万ユーロ。これをベースとした利益率は22.1%と、1年前から0.2ポイント改善した。

ルシアン・グレンジ会長兼CEOは「当期も売上高が力強い伸びを示していることは、われわれがアーティストを全ての活動の中心に据える多面的な音楽エンターテインメント企業であることを示している」と述べた。

同社は併せて、米メタ・プラットフォームズのプレミアム・ミュージックビデオのストリーミング配信を巡る提携を解消したと発表した。

榎本編集長「音楽ソフト売上世界一のUMGのQ2売上は前年同期比9.6%増で引き続き好調だがサブスク売上の伸びが期待以下に。ストリーミング売上(※無料ストリーミングにおける広告売上の分配)は3.9%縮小だが、同時期YouTubeの発表した広告売上は増収だったので、おそらく一時期TikTokに配信を停止したことと、メタ社と提携を解消したことが響いたと見られる」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。