HYBE、新成長戦略「HYBE 2.0」を発表 音楽・プラットフォーム・テクノロジー基盤の未来成長事業に再編

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HYBEは8月1日、エンターテインメント産業において強いリーダーシップを発揮していくための新事業戦略「HYBE 2.0」を発表した。HYBE 2.0は、ファンダムビジネスモデルをグローバル主要市場へと拡大展開すると同時に、急速に変化する市場環境に対応して積極的にイノベーションを実現していくという構想。HYBE 2.0では、既存のレーベル・ソリューション・プラットフォームで構成されていたHYBEの3大事業領域が、音楽・プラットフォーム、そしてテクノロジー基盤の未来成長事業に再編される。

音楽事業部門においては、本質的なコンテンツの品質とファンの体験をさらに向上させ、韓国・アメリカ・日本・ラテンアメリカでの各事業の拡張および地域間シナジーの創出をさらに加速。韓国および日本のマルチレーベル事業を統括する「HYBE MUSIC GROUP APAC」を新設する。

HYBE MUSIC GROUP APACは、レーベル事業の成長とイノベーションに必要な戦略・プロセスの強化や、リソース投資、音楽サービス機能の強化に注力していく。これは、音楽ビジネスの本質を強化し、グローバルビジネスの拡張を加速させていくことを目的としている。

HYBE MUSIC GROUP APACの初代代表には、BIGHIT MUSICの代表であるシン・ヨンジェ氏が就任。シン・ヨンジェは、2019年にHYBEの前身であるBig Hit Entertainmentへ入社して以来、様々な戦略、政策、事業モデル開発を担当した。2020年よりBIGHIT MUSICの代表としてレーベルの組織・機能を強化して成功に導き、BTSやTOMORROW X TOGETHERがグローバル市場で目覚ましい成果を出せるよう組織をリードしてきた。

また、HYBEは、アメリカ、日本、ラテンアメリカを中心に現地の文化と特性を反映した事業を展開し、現地市場をリードする事業者としての地位を確保する「マルチホーム・マルチジャンル(Multi-home, Multi-genre)」戦略を推進する。HYBE2.0では、各市場環境に合わせてK-POPのノウハウを融合する形で事業戦略を具体化。各市場をリードする事業者としての地位を確保すると同時に、ジャンル拡大を通してこれまでK-POPを消費してこなかった層のHYBEエコシステムへの流入を図る。

世界最大の音楽市場であるアメリカでは、レーベルサービスの立ち上げと現地に根ざした新人開発などに重点を置いて推進するため、HYBE AMERICA傘下にアメリカの伝統的なマネジメントビジネスとHYBEの360度ビジネスモデルを組み合わせたレーベルサービスをローンチ。レーベルサービスは、アーティストのキャリア成長曲線を一緒にデザインし、各ステージにあわせて適切なビジネスモデルを提供する。HYBEの強みであるアーティストの成長を支える立役者としてのビジネスモデルを開発し、現地アーティストとのレコーディングやマネジメント契約にとどまらない総合的なサービスを提供する形でレーベルサービスを運営する。

HYBEは2024年にデビューしたKATSEYEを皮切りに、アメリカの現地化新人アーティストの持続的輩出を構想。KATSEYEは6月にデビューしたHYBEで初めてアメリカでローカライズされたグループで、Geffen Recordsとの協業を通じてアメリカのポップスジャンルにK-POPの方法論を導入するプロジェクトを通じて誕生した。HYBEはKATSEYEのデビューのために、アメリカ現地にトレーニングやマーケティング・プロモーション、A&Rなどアーティストを育成するための様々なインフラを構築した。そのインフラを今後も活用することで、現地化された新人アーティストを継続的に輩出することが可能となる。

世界第2位の音楽市場である日本では、ローカライズされたアーティストの輩出とJ-POP市場への進出に注力。日本市場でのK-POPの成長の勢いとJ-POPジャンルでの存在感を同時に高めていき、HYBEが日本でも韓国での地位に匹敵するリーディングプレイヤーとして位置づけられることを最終目標としている。HYBE JAPANの傘下レーベルからは、&TEAMに続く新しい日本現地化新人アーティストも発表される。

HYBE JAPANは成長をさらに加速させるため、元SMエンターテインメント総括社長のキム・ヨンミン氏をHYBE JAPAN会長職に任命。エンターテインメント業界の代表的な”日本通”として知られるキム・ヨンミン氏は、K-POP産業でHYBEが確立した成功方程式を日本市場に取り入れ、HYBE JAPANを日本最高のエンターテインメント企業へと跳躍させることを目指す。

ラテン市場を担当するHYBE LATIN AMERICAは、現在建設中のメキシコシティの専用スタジオをはじめとしたインフラ構築や、プロデューサーやアーティストの迎え入れ・育成を進める。HYBE LATIN AMERICAは、有力な現地代表事業者とのパートナーシップを通じて、音楽をベースにした多様なビジネスモデルとテクノロジーを主力とする新規事業の展開を迅速に推進し、2025年からK-POPシステムを導入してプロデュースするHYBE LATIN初のアーティストデビューを含め、様々な成果が披露される予定だ。

また、グローバル最大のスーパーファンプラットフォームであるWeverseは、2024年の第4四半期からファンダムサービスモデルを拡張し、次のレベルへと進化する。まず、サブスクリプション型メンバーシップサービスが第4四半期にローンチする予定で、サブスクリプション型メンバーシップは既存のファンクラブメンバーシップとは別のサービスとして運営され、ファンがより便利な環境でWeverseを利用できる機能や一部ファンクラブと連動したサービスを一緒に提供する。

同サービスにはデジタルメンバーシップカードや、ボーナスJelly(デジタル支払い方法)チャージ、広告なしでの映像視聴、VODオフライン保存などが含まれる。また、オプションでメンバーシップ限定コンテンツへのアクセスやイベントへの優先参加も含めることが可能となる。Weverseに参加するアーティストであれば、誰でも希望するタイミングからサブスクリプション型メンバーシップサービスを開設し、利用することができる。

アーティストとファンのコミュニケーション窓口として愛されている「Weverse DM」は、2024年中にHYBE LABELSアーティストをはじめとした多様なアーティストでサービスが拡大オープン。さらに、今年初めからWeverseの一部に制限的に導入を開始した広告を年内には本格的に適用していく予定だ。

HYBE2.0においてテクノロジーを基盤とした未来成長事業部門は、エンタテインメント業界の環境変化から生まれる新たな成長領域を戦略的に探索し、先取りしていく役割を担う。コンテンツ関連技術を積極的に融合させ、顧客体験の変化の方向性を予測することで、HYBEの中長期的な新たな成長エンジンを確保することを目指す。

テクノロジー基盤の未来成長事業部門では、HYBE内部で準備をしてきた様々な新規事業の戦略の調整・連携を行う。現在、ゲーム事業をはじめとしたオーディオ/音声技術、生成型AI、オリジナルストーリービジネス、オン/オフライン統合体験デザインなどにおいてビジネスモデルの検証およびテストの観点で推進しており、会社の今後の方向性や収益性を考慮しながら新たな投資を慎重に進めていく。

HYBE イ・ジェサン新CEOコメント

音楽、プラットフォーム、テクノロジー基盤の未来成長事業の育成を骨子とするHYBE2.0を基盤に、HYBEは韓国およびグローバルでの音楽事業を持続的に発展させ、プラットフォーム事業を通じて変化するスーパーファン市場でのリーディングポジションを強固なものにし、そしてテクノロジー基盤の未来成長事業を通じて中長期的な成長エンジンを確保することに注力していく。

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