音楽フェス市場、バブル崩壊か? 米調査結果
今年の音楽フェスティバルのチケットの売れ行きが大幅に落ち込んでいる中、クリエイターエコノミー・プラットフォームを手がける米ArtistVerifiedがその原因と解決策を分析した。市場は飽和状態にあり、音楽ファンはユニークで記憶に残るフェス体験を求めていると述べている。
同社は現状について、毎年新たなフェスが登場し、音楽ファンやスポンサー、ヘッドライナーらを奪い合っており、アリーナ・ツアーなどにも悪影響を与えていると指摘。インフレを受けたコスト上昇が状況をさらに難しくしているとした。
また、「大量のストリーミング数を誇るアーティストが、フェスのヘッドライナーとして優れているとは限らない」とした上で、ヘッドライナーには「幅広いアピールを持ち、それなりにしっかりとしたツアー歴を持つアーティスト」が相応しいとの考えを示している。
さらに、音楽ファンの一部は、より自分たちの嗜好に合ったキュレーションを求めており、KnotfestやInkarcerationなどのジャンルに特化したフェスティバルやツアーは、CoachellaやGlastonburyよりもうまくいっているようだと付け加えた。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「近年、ライブ市場は世界的に成熟を迎え低成長に入っていた。その中身を見ればチケット代の高騰に支えられており、コロナ禍でライブへ行く習慣が一度途切れたこと、インフレで可処分所得が落ちたことが重なり飽和から崩壊が懸念されていたが、音楽フェスの売上大幅減がアメリカで起き、生き残り策が練られている」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。