TuneCore親会社のBelieve、上半期は増収増益

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TuneCoreを傘下に持つ音楽ディストリビューター最大手のBelieve(フランス)は8月1日、2024年上半期(1〜6月)の売上高が4億7,410万ユーロとなり、前年同期比14.1%増加したと発表した。 EBITDA(利払い・税引き・償却前利益、特別損益除く)は、3,130万ユーロと、29.3%伸びている。

売上高は恒常為替レートベースで12.3%拡大。主力のプレミアム・ソリューションズ部門(レーベル・アーティスト向けのプレミアムサービス)のデジタル売り上げが為替の悪影響を受けたと説明している。

部門別に見ると、プレミアム・ソリューションズが実質11.7%拡大。オートメイテッド・ソリューションズ(DIYアーティスト向けディストリビューターの「TuneCore」)は20.5%伸びた。

有料ストリーミング配信による収入は、2023年後半に複数の大手デジタル・プラットフォームが値上げしたことも追い風となり、「堅調に推移した」と指摘。一方で、広告付き無料ストリーミング配信は、特にアジアが低調だったという。

なお、株式の非公開化に向け、同社のデニス・ラデガイリー創業者兼CEO率いるコンソーシアムが実施していた株式公開買付け(TOB)が完了。8月1日時点の持ち株比率は96.02%となっている。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「音楽ディストリビューター最大手Believeの今年上半期売上は前年比14.1%増の€4.74億に。レーベル最大手ユニバーサルMの上半期音楽ソフト売上(€41.9億)の11.3%に相当。アジアで無料配信の広告売上が低調だったのが世界の動向を示唆。中国・インドも無料から有料の時代へシフトするだろう」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。