テンセント・ミュージック、高価格帯プランの差額は「5倍」

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Spotifyが高価格帯プランの準備を進める中、Music Business Worldwide(MBW)は、中国のテンセント・ミュージック・エンタテインメント・グループ(TME)の価格設定などを参考にすることを提案している。 

TMEの梁柱CEOによると、「スーパーVIP(SVIP)」プランは月額およそ40人民元(約5.6ドル)で、同社の音楽ストリーミングサービスにおける一般的な有料プラン(8人民元、約1.12ドル)との価格差はおよそ5倍。 Spotifyの米国における個人向け有料プランの料金(11.99ドル)を大きく下回る一方、価格差はSpotifyが検討している約50%増を圧倒する水準だ。 

SVIP会員は、音楽やポッドキャスト、オーディオブック、オンライン・カラオケサービスを高品質で楽しめるほか、デジタルアルバムへの優先アクセスや音楽イベントのチケット予約などの特典も受けられる。 

TMEの有料会員1人当たりの月平均課金額(ARPPU)は、 SVIPが押し上げ要因となり、第2四半期(4〜6月)に前年同期比10.3%増の10.7人民元に伸びた。 

Spotifyのダニエル・エクCEOは7月、月額17〜18ドルくらいの高価格帯プランを計画しているとコメント。HiFiオーディオのほか、スーパーファンクラブ、新しいプレイリストや楽曲管理ツールが含まれるとみられている。 

(文:坂本 泉) 

榎本編集長「月額千円/人そこそこしか売れないことが音楽サブスク、レーベル、アーティスト全員の課題になっているが、中国音楽サブスク最大手のテンセント・ミュージックから料金5倍のスーパーVIP会員が登場。音楽やポッドキャスト、オーディオブック、オンラインカラオケが高品質、デジタルアルバムへの優先アクセス、チケット予約の特典も受けられるという。要注目」 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。