ソニーグループ、音楽ストリーミングの成長鈍化 UMGと同様に

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ソニーグループの全世界における音楽著作権事業の売上高は、第1四半期(2024年4〜6月)に前年同期比11.4%増と、2桁の伸びを示した。その一方で、ストリーミング収入(広告収入とサブスクリプションを含む)は米ドル換算で5%増と、前期の10.6%増から伸びが減速している。同社の発表を元に、 Music Business Worldwide(MBW)が8月7日伝えた。 

ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)のストリーミング収入は、第2四半期(4〜6月)に前年同期比4.1%増と、こちらも伸びが減速。うち、サブスク売上は6.9%伸びたが、無料ストリーミングにおける広告売上の分配は3.9%縮小した。 

ソニーグループ執行役員の松岡直美氏は、ストリーミング収入の伸び鈍化について、1年前に複数の DSP(デジタル音楽配信事業者)が値上げしたことが大きいと説明。また、無料配信もUMGと同様、1年前をわずかに下回ったと述べた。 

なお、ストリーミング収入の成長率は、恒常為替レートベースでは「6%台」に改善するという。 

ソニーグループは音楽著作権市場について、1ユーザー当たりの平均売上高(ARPU)の増加や新興国市場のさらなる成長にけん引され、年間成長率が1桁台半ばから後半で推移するとみている。 

(文:坂本 泉) 

榎本編集長「音楽売上世界1位のUMGに続き2位のSMEも音楽ストリーミング売上の成長鈍化。特にYouTubeなど無料配信の広告売上が3.9%縮小。同社CEOが無料を減らして、Netflixが始めた月額安め+広告型へシフトすべきと提案した背景に。他にスーパーファンや生成AIの収益化がポスト・サブスクのテーマになっている」 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。