TikTok使用曲の世界トップ10、半数超がインディーズ配信
今夏にTikTokの投稿で使用された楽曲の世界トップ10のうち、半数以上(6割)がインディーズ配信だった。同社が8月19日に公表したデータを基に、Music Business Worldwide(MBW)が伝えた。
首位は、チリ出身のアーティストであるFloyyMenorとCris MJによるレゲトン「Gata Only」で、1,500万件のコンテンツで採用された。この曲は独立系の音楽配信プラットフォームであるユナイテッドマスターズを通じて2月にリリースされ、翌月の米ビルボード・ホット100で98位にランクイン。約5週間後に27位まで上がった。
一方、オランダ系イラン人のシンガーソングライターでレコードプロデューサーでもあるSevdalizaの「Alibi」(ブラジル人シンガーのPabllo Vittarとフランス人シンガーのYseultとの共作)は5位につけた。この楽曲は、Sevdalizaの個人レーベルTwisted Eleganceからリリースされ、流通は音楽ディストリビューター最大手のBelieve(フランス)が手がけている。
TikTokの音楽ビジネス開発部門のグローバルヘッドを務めるオーレ・オーベルマン氏は「ラテン音楽はTikTokで最も人気のあるジャンルの1つで、『Gata Only』がグローバルのトップになったのも驚きではない」とコメントしている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「TikTokで世界TOP10人気曲のうち6曲がインディーズ配信。TuneCoreなどディストリビューターの力がますます強くなっている。課題は楽曲のみが認知されて消費されてしまうケースが多いこと。バズ起こしの段階からアーティストの認知へ繋がる工夫が腕の見せどころになりつつあるようだ」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。