世界の音楽出版収入、101億ドルに急増 2031年には168億ドルも

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英国の音楽専門コンサルティング・ファームであるMIDiA Reserchによると、世界の音楽出版収入は2023年に101億ドル(約1兆4,658億円)に達し、前年比12%拡大した。伸びは引き続き、録音原盤市場(9.1%増)を上回る水準で推移している。今後については、ストリーミングの力強い成長にけん引され、2031年までに市場規模が168億ドルに達することが予想されている。 

2023年に最大の伸びを示したのは、ワーナー・チャペル・ミュージックで16.6%増の11億ドル。ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)は10.5%増の21億ドルとなったものの、ソニー・ミュージックパブリッシング(SMP)が依然として最大手の地位を堅持している。独立系は12.7%拡大した。 

MIDiAは音楽出版が好調な理由として、収入増やストリーミングにおける収益分配率の改善、機関投資家による出版カタログへの投資流入などを挙げた。 また、メタ・プラットフォームズやTikTokのようなプラットフォームとの「非DSP」契約で、標準的なDSP契約よりも高率のロイヤリティーが支払われる仕組みを確立したことも大きいとみている。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「世界の音楽出版売上が101億ドル(約1兆4,658億円)で前年比12%増。原盤売上の9.1%増より伸びている。ヒットの有無に左右される原盤と比べると著作権のカタログは家賃収入の確約されたビルのように堅実な収入が見込めるため、ソニーのような大手企業からの投資が進んでいる」

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。

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