複数アーティストで「協同プレイリスト」、Spotifyのアルゴリズム的に有利か 広告予算でも効率的
音楽業界ニュースサイトのHypebotで、アーティストによる音楽のリーチとリスナーのエンゲージメント強化に向けた取り組みが紹介された。インディーズ・ミュージシャンのブライアン・ハザード氏は、複数のアーティストと「協同プレイリスト(Cooperativeプレイリスト)」を運営。一定の成果が得られたとしている。
当初の参加は5組で、広告予算としてそれぞれ月200ドルを支払い、1人当たり4曲をプレイリストに載せるなどの条件を設定。曲ごとのパフォーマンスのばらつきなど課題に直面しながらも、プレイリスト内の曲の配置を見直すなど、データを基に試行錯誤を続けた。
開始から半年後には、Spotifyのフォロワー数が5,344人。6,488.23ドルで2万9,738回のコンバージョン(ランディングページから音楽サービスへのクリック)が発生し、コンバージョン当たりの平均コストは0.22ドルとなった。
ハザード氏は、協同プレイリストの効果とは言い切れないものの、既に3組のアーティストが参加以降、アルゴリズム的に大きな成功を収めていると指摘。また、他にもプレイリストを保有しているアーティストは、ストリーム当たりのコストの優位性から参加を続けているという。
榎本編集長「コラボ作品でファンを融通し合うのはSpotifyやYouTubeで王道になっているが、「アーティスト・プレイリストでコラボしたらどうなるだろう?」と米インディーズ・アーティスト5組が共同実験。結果はかなり良好でアルゴリズムとも好相性。広告予算的にも効率的にフォロワーを増やせたという実験結果が出た。実践的なチャレンジだ」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。