新人ブレイクのきっかけ「トリガー・シティー」、中南米やアジアに集中

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音楽データ分析ツールを手がけるChartmetricは、「トリガー・シティー」リストの最新版を公表した。同社は、過去4年間に世界的にブレイクした新人アーティストを調査。各アーティストのSpotifyの月間リスナー数上位50都市を抽出し、最も多く登場した30都市を4層に分けてリストにまとめた。 

最も影響力のあるグループ(第1層)には、ジャカルタ、リマ、メキシコシティ、ニューヨーク、サンティアゴ、シドニーが並ぶ。東京は第3層にランクイン。地域別で見ると、中南米、次いでアジアに集中している。 

アジアは、インドでストリーミングが大きく伸びているものの、影響力が低下。保護主義の高まりが背景にあるとみられ、ローカル音楽は急成長している。東アジアだけでなく、インドネシアやフィリピンなど東南アジアにもトリガー・シティーが集まる。特に、東南アジアのトリガー・シティーは、年齢の中央値が欧米よりもはるかに若いという。 

消費者は中南米と同様、単に自身が好きなものをシェアするのではなく、友人がシェアしたコンテンツを進んでシェアする傾向にある。また、近年はポップミュージックの人気が急上昇している一方で、非ローカルのヒップホップは大幅に落ち込んでいる。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「世界のどの街で新人がブレイクすると効果的に波及するのか? 英Chartmetricsから世界のトリガー・シティ・リストが発表された。ティア1にはNYの他、ジャカルタ、リマ、メキシコシティーが並ぶ。東京はティア3…。だがアジアにトリガー・シティーが集中していることはJ-Popに有利。世界進出=渡米渡英という時代はとっくに終わったのかもしれない」 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。