テンセント・ミュージック、中国のアーティストを世界に発信 イニシアチブ発足

ビジネス 海外

中国最大の音楽配信サービス運営会社テンセント・ミュージック・エンタテインメント・グループ(TME)は9月12日、「グローバル・ミュージック・アウトリーチ・イニシアチブ」を発足したと発表した。国際的な音楽イベントや機関と提携し、中国のアーティストを世界に向けて紹介していく。 

第1弾は、同月13~17日にシンガポールで開催。グランプリ・シーズン・シンガポール(F1)で中国人アーティストがライブ・パフォーマンスを披露したほか、業界フォーラムや音楽セッションを開催し、地元大学の学生・教員との交流が行われた。 

また、イニシアチブの一環として、TMEは中国共産党の機関紙「人民日報」と提携し、地場のシンガーソングライターであるティア・レイ(袁婭維 )をフィーチャーしたテーマソング「Hear It」を制作。 さらに、「So This Is The Sea」の新バージョンがTMEのプラットフォームでリリースされる。 

TMEは音楽配信サービス「QQ Music( QQ音乐)」「Kugou(酷狗)」「Kuwo(酷我)」のほか、ソーシャルカラオケゲーム「WeSing(全民K歌)」を運営。2024年上半期(1~6月)の新規有料会員数は約1,000万人と、Spotifyと肩を並べた。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「中国最大の音楽会社テンセント・ミュージック(TME)が中国のアーティストを世界へ発信するプロジェクトを発足。人民日報と提携しているので国策と見てよいだろう。親会社はユニバーサルミュージックの株を10%、テンセント・ミュージックはSpotifyの株17%弱を以前、取得している」 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。