Web3の音楽ストリーミング・プラットフォーム「Tune.FM」、5,000万ドル追加調達

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Web3(分散型インターネット)の音楽ストリーミング・プラットフォームとスーパーファン・プラットフォームを手がける米国のTune.FMは9月14日5,000万ドル(約70億9,000万円)を追加調達したと発表した。累計調達額は8,000万ドルに達した。 

Tune.FMは、トークンを通じてストリーミング収益の90%をアーティストに直接支払っていると主張。これに対して業界大手のSpotifyは「70%近く」を権利者に分配し、権利者がさらにそれをアーティストや作詞作曲家に分配する方式を採用している。 

またTune.FMでは、アーティストは楽曲がストリーミングされるごとにトークンを受け取り、ユーザーは新しくプロモーションされた曲を聴くことでトークンを獲得できる。一方のSpotifyでは、12カ月間に1,000ストリーミングがあった場合のみ、アーティストは報酬が得られる。 

今回の資金は、同国のVC(ベンチャーキャピタル)であるGlobal Emerging Marketsが提供したもので、トークンの流動性向上に充てられる予定だ。同社のほか、Alpha Token Capital、Block Alpha、Animoca Brands、The HBAR Foundation、GDA CapitalもTune.FMを支援している。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「音楽のWeb3プラットフォーム、tune.fmが累計8,000万ドル(約11億円)を調達。サイトを見るとTOP10でも再生数は1,000再生あたりだが、インディーズとDIYの売上シェアはあと10年ぐらいでメジャーを抜く勢いなので、どこかでこうしたプラットフォームがブレイクする可能性はある。YouTubeやSoundCloudも最初は既存のプロの利用は少なかった。スーパーファンをWeb3が扱うのも時代を感じる」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。