儲かるの? ピンク・フロイドのカタログ取得、700億円規模でソニー交渉

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ソニーミュージックが、英ロックバンド「ピンク・フロイド」のカタログ取得で交渉が進んだ段階にあるようだ。取引額は4億〜5億ドル(約575億〜719億円)となる見通し。複数の関係者の話として、フィナンシャル・タイムズなどが913日伝えた。 

取引には、原盤権や「バンド名に関連する権利と肖像権」が含まれるが、出版権には及ばないという。 

同バンドのカタログは2022年、希望価格5億ドル超で売りに出され、ソニーやワーナー・ミュージック・グループ(WMG)など複数の企業が関心を示していた。しかし、バンドメンバー間の不和(ロジャー・ウォーターズの政治的発言に起因)により、交渉が複雑化している。 

原盤権はバンドが所有しているものの、レコード会社と提携し、ライセンスや配給を行っている。売り上げからパートナーが分け前を取り、残りはメンバーが取締役を務める2社に入る格好だ。2社を合わせた売上高は、2023年6月通期で4,039万9000ポンド(約77億4,000万円)だった。 

ソニーは今年5月、英ロックバンド「クイーン」のカタログ取得で交渉していると報じられた。取引総額は10億ドルに達する可能性もあり、実現すればこの種の取引としては過去最大規模となる見通しだ。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「伝説のプログレバンド、ピンク・フロイドのカタログ交渉にソニーミュージックが4億〜5億ドル(約575億〜719億円)を出す模様。その額を稼げるのかだが、同バンドの会社の売上は昨年、4,039万9000ポンド(約77億4,000万円)なので、ビートルズ同様に古典の仲間入りしていると判断すれば10年でペイできるIPだ。」 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。