ユニバーサル ミュージック、直販が33%の伸び スーパーファン収益化の取り組み加速

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ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)が9月17日に開催した投資家向けイベントで語ったスーパーファンの収益化に向けた取り組みについて、Music Business Worldwide(MBW)がまとめている。 

UMGはまず、DTC(消費者への直接販売)売上高の年平均成長率が33%を記録していると指摘。ストリーミングは現時点で全てのファンのマネタイズが均等化されているとした上で、「スーパーファンへのDTCの機会は、高成長の収益機会であるだけでなく、アーティストへの訴求力を高め、競合他社よりも多くのことをアーティストに提供する能力を与えてくれる重要な競争優位性でもある」と述べた。 

また、Spotifyの高価格帯プランの開発に協力していると発表。具体的な内容には触れなかったが、「リスナー体験を向上させ、アーティストとファンのエンゲージメントをさらに深める魅力的な新機能の開発に取り組んでいる」と話した。 

このほか、Netflixなど動画ストリーミングサービスが顧客層を細分化した上で、加入数を伸ばしていることを受け、音楽でも同様の期待ができると予測。一方で、自社の収益成長の原動力が、ストリーミングの1ユーザー当たりの平均売上高(ARPU)の成長や、DTC拡大にシフトすることで、売り上げ成長が変動するとみている。

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「ユニバーサルミュージックが『スーパーファンに注力する』と年初に発表したが、DTC(消費者への直接販売)売上高の年平均成長率が33%に。さらにSpotifyの高価格帯プランの開発を協力中とのことで、10年前に連載で『お手頃サブスク+プレミアム・サブスク+アーティスト単位の個別課金』が望ましいと書いたのがようやく現実化してきた。10年後の目標も既に新連載で書いているので興味あればお読みいただきたい」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。