「機材より宣伝にお金を使いなさい」インディーズ・アーティストへ助言

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レコード・CD制作を手がける米ディスク・メーカーズのトップであるトニー・ファン・フェーン氏は、インディーズ・アーティストがプロモーションやマーケティングに費用をかける重要性を訴えている。毎日10万曲がSpotifyにアップロードされ、曲を目立たせる必要が増加。音楽制作や流通コストの大幅な低下で、予算の振り向けが容易になったものの、依然としてインディーズ・アーティストは機材に出費するが、宣伝費を出し惜しみしているという。 

ディスク・メーカーズのカスタムCDジャケットの制作費用は100枚で149ドル(約2万1,500円)〜。ファン・フェーン氏は「このわずか149ドルで、アーティストはCD1枚を10ドルで売り、1,000ドルを稼ぐことができる」と主張するが、多くのアーティストがなおも投資をしたがらないと述べた。 

また、以前には「Ads for Artists」という100ドル以下の手ごろなアーティスト・マーケティング・サービスを提供していたが、こちらも苦戦を強いられ、わずか3年ほどでサービス終了に追い込まれた。 

マーケティング費用の指針として、リル・ウェインやニッキー・ミナージュなどのマネジメント会社に勤めるブライアン・カルホーン氏は「アルバム制作費と同じ額をプロモーションやマーケティングに費やすべきだ」と話しているという。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「インディーズアーティストは機材を買いたがるが、そのお金を宣伝に使ったほうがいいよというアドバイス。Spotifyのバナー広告は100ドルから出せる(日本は未対応)。YouTubeだったらチャンネル登録者1人を40円で獲得なら、40万円で1万人だ。DAWとディストリビューターで音楽の制作費と流通費はかつてなく落ちている。その分を機材より宣伝に回した方がいいと思っていたのでこの記事をピックアップした」 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。