フランス録音原盤市場、上半期は5.9%増加

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フランス音楽出版組合(SNEP)は、同国の2024年上半期(1〜6月)の録音原盤市場の売上高が4億1,500万ユーロ(約672億7,000万円)となり、前年同期比5.9%増加したと発表した。伸びは、イタリア(15.1%増)やスペイン(16.6%増)、ブラジル(21%増)より小幅だったが、世界最大市場の米国(3.9%増)は上回った。 

デジタルが3億3,300万ユーロと9.6%増えた半面、フィジカルは8,200万ユーロで6.8%減った。後者の落ち込みは、1年前に商業的に大きく成功したCDのリリースが多かったことが原因と分析している。レコードは0.2%増とわずかに改善し、1980年代以降で初めてCD(13.2%減)を上回った。 

ストリーミングを見ると、サブスクリプションは11.3%増の2億5,851万ユーロと、ソフト売上全体の62%を占めた。無料聴取における広告売上の分配は6.1%増の3,802万ユーロ。動画は3,147万ユーロと、5.1%伸びた。 

フランスの有料音楽配信契約の普及率が昨年にわずか23%だった(ユニバーサル ミュージック グループ発表)ことを考慮すると、この結果は注目に値する。 

トップセールスの楽曲の7割は、フランス人ミュージシャンによるものだった。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「先進国でもサブスクがまだ大きく伸びる国はあり、フランスと日本もそれにあたる。フランスの音楽ソフト売上、今年上半期は5.9%増。同国は有料音楽配信契約の普及率が昨年に23%と低い中、サブスク売上は11.3%増と健闘。なおSpotifyの母国スウェーデンは人口の56%、お隣のノルウェイは63%が有料音楽配信と契約している」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。