「レーベル」対「ディストリビューター」 あいまいになる境界線
レーベルとディストリビューターの境界があいまいになりつつある中、音楽業界ニュースサイトのHypebotが両者の違い(※アメリカでのケース)を解説している。
■レーベルの領域
「リリース戦略/マーケティング計画」
「ラジオ」
「シンク・ライセンシング」
「写真/クリエイティブ」
「広告掲載」
「デジタル・マーケティング戦略」
「オンライン資産」
「ミュージックビデオ・リリックビデオ」
「イベント(店舗を除く)」
メジャー・レーベルとの契約は通常、レコーディングなどの予算と、アーティスト活動を手助けするチームへのアクセスが伴う。レーベルはアーティストにリソースとサービスを投資するため、売り上げの大部分と楽曲の権利を得る。
■ ディストリビューターの領域
「グローバルなデジタル配信と収益化」
「フィジカル・デジタル製品リリースの調整」
「DSPとソーシャルプラットフォームにおける最良実施と問題解決」
「リリース・パフォーマンスに関する洞察と分析」
「DSPへのプレイリストとマーケティング・プログラムの売り込み」
「YouTubeでのコンテンツIDとチャンネルの最適化」
「ソーシャルメディアの検証」
「権利管理」
「ジャケット画像+音源のYouTube用動画」
ディストリビューション契約はしばしばレーベルと正反対で、 一般的に前金ははるかに少ない上、サービスはほぼなく、期間もかなり短い。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「レーベルとTuneCoreなどディストリビューターの違いについて整理した記事をピックアップ。大きく言うとレーベルは宣伝してくれるが楽曲の権利の大部分を持っていく。ディストリビューターは手数料が安く楽曲の権利は100%アーティストに残る一方、宣伝などは受けられない。ただレーベルも配信の手配やデジタルマーケティングなどにディストリビューターを利用しているし、ソニーなどディストリビューターを傘下に持つレーベルもある。ディストリビューターでもbeleiveのように宣伝・MV制作・マネジメントなどを『レーベル・サービス(アーティスト・サービス)』として提供しているところもあるので両者の境界は曖昧になってきた」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。