YouTube、米国でアデルやニルヴァーナのMV復活 演奏権管理団体とライセンス合意で

ビジネス 海外

米国の演奏権管理団体のSESACは9月30日、YouTubeとライセンス契約の更新で合意したと発表した。前日にはYouTubeが「契約が失効した」として、SESACと提携する複数の人気アーティストのミュージックビデオ(MV)を米国でブロックしたが、これが復活することとなった。 

YouTubeは同月29日、SESACとの契約について「われわれの最善の努力にもかかわらず、更新条件について合意に至らないまま失効した」と説明。アデルやケンドリック・ラマー、ニルヴァーナ、ボブ・ディラン、グリーン・デイ、マライア・キャリーらのMVが米国で視聴できなくなっていた。 

しかし、SESACは翌日、YouTubeとの間で「自社の作詞作曲家と出版社に対し、楽曲の使用料を公平に補償する」契約を結んだと発表。YouTube側も「一両日中」に削除されたコンテンツを復活させるとの声明を出した。

SESACは交渉を続ける中で、契約満了日である10月1日を前に、関連会社の作品がYouTubeにより一方的に削除されたと主張。これについてDigital Music Newsは、YouTubeが合意に達するよう、力を誇示した可能性を指摘している。 

SESACは米国で2番目に歴史のある、実演権を管理する営利団体。1万5,000組(社)超の作詞作曲家、音楽出版社に代わり、150万曲以上の公的な実演を許諾している。

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「YouTubeがアメリカの演奏権監理団体SESACと契約更新できず、アデルやケンドリック・ラマー、ニルヴァーナ、ボブ・ディラン、グリーン・デイ、マライア・キャリーら錚々たるメンツのMVが9/30にYouTubeから削除されたが翌日、契約更新に。事情は、噂以上は不明。日本でも似たことが起きそうなことがあったと聞いている」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。