TikTok、数百万組のインディペンデント・アーティストをブロックも 業界団体Merlinとのライセンス交渉拒否
インディペンデントのデジタル音楽ライセンスパートナーであるMerlin(マーリン)は9月27日、TikTokが10月31日の期限切れを前に、新たなライセンス契約の「交渉を拒否した」と会員に通達した。TikTokはマーリン会員との直接取引を望んでおり、これについてマーリンは「会員を細分化し、ロイヤリティーの支払いを最小限に抑えるためだ」と批判している。
マーリンは、3万のインディーズ・ディストリビューターやレーベルに代わり交渉を行なっており、世界のデジタル音楽マーケットに占めるシェアは15%と言われる。TikTokとのライセンス契約が終了すると、J DillaやThe Lumineers、Mitski、Nirvana、Phoebe Bridgers、Wet Legらアーティストのヒット曲が同プラットフォーム上から消えることとなる。
11月1日以降もカタログを残すためには、10月25日までに各インディーズレーベルがTikTokおよびCapCutと直接契約を結ぶ必要がある。
TikTokはMusic Business Worldwide(MBW)に対し、インディーズ音楽が自社プラットフォームにもたらす多様性と豊かさを大切にしているとした上で、「インディーズ音楽をTikTokに残し続けるために、マーリンのメンバーと直接契約を結ぶことを約束する」と述べた。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「またTikTokで曲がかけられないアーティストが。インディーズレーベルの楽曲を取りまとめる世界最大のライセンサーMerlinとTikTokの交渉が決裂。TikTokのアーティストへの支払いはSpotifyなどと比べ驚くほど安いため。影響を受けるのはJ DillaやThe Lumineers、Mitski、Nirvana、Phoebe Bridgers、Wet Legなど。世界ではユニバ、ソニー、ワーナー以外のレーベルはすべてインディーズ扱いなので、イギリスと日本はインディーズ大国として知られている」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。
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