音楽のスターダム、大半が20代に1年未満で終えん 米データ・ジャーナリスト分析
ミュージシャンのスターダムは通常、20代で達成され、1年以内に(多くの場合、3〜4カ月以内に)消滅するーー。データ分析でエンターテインメント業界を深く掘り下げるウェブサイト「Stat Significant」が、Billboard Hot 100のデータセットなどを基に、こうした実態を伝えた。
それによると、Billboard Hot 40に初登場してから最後にランクインした期間が1年未満のアーティストの割合は75%だった。3年は12%で、5年は4%。エルトン・ジョンやブルース・スプリングスティーン、ロッド・スチュワートら20年を超える領域に達するヒットメーカーは1%にも満たない。
最初の1年を乗り切れるのはわずか1%超で、 27%は1カ月以内、65%は3カ月しかチャート入りできない。
最初のヒットを出す年齢は27〜30歳が圧倒的に多く、42歳を過ぎてヒットが起こるのは1%にも満たない。
また、音楽のスターダムにのし上がった人物の寿命は平均64歳。他の産業と比較すると、カーレーサー(56歳)やボクサー(59歳)は上回るが、サッカーやホッケーの選手(いずれも67歳前後)よりも短い。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「きらびやかに見える音楽界のスターたち。だが、20代にヒットを出して最初の1年を乗り切れるのはわずか1%超で、それで終わってしまうアーティストが大半という調査結果。42歳を過ぎてヒットを出すのは1%にも満たない。音楽のスターダムにのし上がった人物の寿命は平均64歳と短く、私たち音楽ファンの喜びはそんな彼らの儚くも尊い輝きの上に成り立っている」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。