実演家権利管理団体、徴収総額が過去最高 国際組織のSCAPR発表

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SCAPR(実演家権利管理団体協議会、スカプル)は10月4日に公表した年次報告書の中で、同団体会員の徴収総額が2023年に9億5,500万ユーロ(約1,556億9,200万円)となり、過去最高を記録したと発表した。前年から8.5%拡大している。 

SCAPRは、国際的な実演家の権利保護のため、実演家の権利を管理する団体間の協定締結を推進するために設立された民間の国際組織。45カ国61団体が加入している。 

主な収入源は依然として「公衆の前での演奏」「私的録音」「ラジオ放送」「テレビ放送」で、総徴収額の81%を占める。公衆の前での演奏による収入は24%増の2億9,400万ユーロ。テレビ放送は17%増の1億4,600万ユーロだった。ラジオは1億4,400万ユーロで、ほぼ横ばい。半面、私的録音は11%減の1億8,800万ユーロとなった。 

オンデマンド配信(デジタル)収入は6,800万ユーロと、30%伸びた。 

会員団体が実演家に支払った総額は1.7%減の6億3,300万ユーロ。支払いを受けた実演家は58万8,000人超と、1年前から20%拡大した。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「歌手や演奏家には著作隣接権があり、その利用料を徴収・分配する団体の国際的組織がSCAPR(スカプル)。日本からは音事協(芸能事務所)・音制連(音楽事務所)などが集まる芸団協(CPRA)がここに参加している。同団体会員の徴収総額が2023年に9億5,500万ユーロ(約1,556億9,200万円)となり、前年比8.5%と過去最高となった。デジタル収入は30%増も全体の7%が課題か」 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。