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音楽サブスク、新興市場が成長の鍵に ゴールドマン・サックスが音楽業界を予測

ビジネス 海外

米金融大手ゴールドマン・サックスは9月30日、世界の音楽産業の予測レポート「Music in the Air」を公表した。ストリーミング配信における有料アカウントの純増数は、新興市場が占める割合が2030年までに70%と、約10ポイント拡大する見通しだ。 

有料音楽配信契約の普及率は、2030年に20%近くになると予想。先進国市場で48%、新興市場で13%になるとみている。 

課金ユーザー1人当たりの平均売上高(ARPPU)は現時点で、先進国市場の34ドル(このうち米国と英国は40ドル以上)に対し、新興市場では8ドルにとどまる。新興市場は今後、所得の増加につれて、価格設定の改善が期待できるとしている。 

世界の音楽産業の売上高は、2024年に前年比8%増の1,000億ドル(約14兆8,500億円)に達する見通し。2030年までの年平均成長率は、ライブ市場と音楽出版がけん引し7.6%になるとして、従来予想から0.2ポイント引き上げた。ストリーミングの年成長率については10%に下方修正している。 

なお、ストリーミングにおける世界3大メジャーレコード会社が占める割合は、先進国市場で約70%と大きい半面、新興市場では15〜50%にとどまっていることが指摘されている。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「ゴールドマン・サックスはときどき音楽産業の予測を出しているが、音楽サブスクは予測成長率を下方修正。今後、新興国中心に伸び、2030年までに新興国が70%を占めると予測し、IFPI(レコ協も参加する世界的な音楽ソフト産業連盟)や我々音楽業界報道などの現状報告に近づけてきた。ゴールドマン・サックスの音楽産業の予測はトレンド後追いのことが多く、逆に言うとトレンド転換の確定の指標になると思って見ている」 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。