Spotify、韓国で広告付き無料ティアの提供開始 有料ユーザーへの移行も視野に
Spotifyは10月10日、韓国で広告付き無料ティアの提供を開始した。同国でのサービス開始から3年半を経て、無料オプションの選択ができるようになった。同社の発表を元に、ロイター通信などが10月10日伝えた。
韓国のユーザーは、Spotifyのプレイリスト、ポッドキャストなどにアクセスするための無料アカウントに登録でき、広告なしのプレミアム・オンデマンドサービスへのアップグレードが可能だ。
Spotifyは同国で「Individual」「Duo」「Basic」の3つの有料ティアを提供しており、月額はそれぞれ1万900ウォン(約1,200円)、1万6,350ウォン、7,900ウォンとなっている。
同社は無料ユーザー向け広告が「他のソーシャルメディアプラットフォームと比べて2倍の注目を集めている」と主張。韓国で無料ティアを導入することで、広告主やブランドに効果的なメッセージ発信の手段を提供するとともに、K-POPを含む韓国の音楽と世界のユーザーをより良く結びつけられると述べている。
Spotifyによると、韓国出身アーティストの再生回数は全ジャンル合計で月平均58億回を突破。韓国でのサービス開始当時から70%超の伸びを示している。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「韓国のIT業界は国内企業保護の色合いが強く、iPhoneの普及率が著しく低いことは有名だが、音楽配信もそうでSpotifyの基本無料を拒むことで、Apple MusicとSpotifyの二大巨頭を実質、抑え込んで国内系サブスクを保護してきた。韓国でSpotifiyの無料ティアが今さらながら始まるというのは、韓国の音楽ファンだけでなくIT業界にとっても特別な意味合いがあり、黒船襲来のような騒ぎが業界で起きていると聞いている」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。