「メジャー・レーベルのエコシステムは崩壊」 アイランド・レコーズの元トップが警鐘

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メジャー・レコードレーベルのエコシステムは壊れ、将来性がないーー。アイランド・レコードの元トップであるダーカス・ビーズ氏がこのような警鐘を鳴らしている。ポッドキャスト番組「Be Unstoppable」出演時のインタビューを元に、Music Allyが10月7日伝えた。 

ビーズ氏はメジャー・レーベルについて「大規模なディストリビューターになっているだけで、タレントを育てずに確保している」と主張。こうした状況が進展するにつれて、マネージャーたちは、アーティストの育成という点で、これまで以上に多くのことをしなければならなくなっていると述べた。 

業界の方向性としては、アーティストやそのマネージャーとパートナーシップを組む中で、「彼らが提供するものの大半を維持しながら、それをデジタルネイティブな方法で市場に投入するために、どのようなサービスを提供できるか」が重要だとの考えを示した。 

また、TikTokなどテクノロジーの進化により、アーティストはデータ化され、それを基にレコード契約が交わされていると指摘。インスピレーションや創造性が不十分となり、カタログとしての音楽の価値が低下する可能性を示唆した。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「今のメジャー・レーベルは大規模なディストリビューターになっているだけで、タレントを育てずに確保していると、U2などを輩出した名門アイランド・レコードのダーカス・ビーズ元CEOが指摘。メジャーレーベル崩壊論はCDの衰退が見えた2000年前後から取り沙汰されてきたが、今回は、レーベルがストリーミング時代に相応しい育成やプロモーションでアーティストの価値を高めていないという危機感のようだ。アイランドにはアリアナ・グランデやTHE WEEKNDも所属 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。