英国の音楽ソフト市場、第3四半期は10%拡大 国内アーティストがチャート低迷

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英国のアルバム相当売上は、2024年第3四半期(7〜9月)に前年同期比10.2%増の4,866万9,682枚となった。ただ、チャートでは国内アーティストが低迷している。英国レコード産業協会(BPI)とオフィシャル・チャート・カンパニーのデータを基に、英国の音楽業界メディアMusic Weekが10月8日伝えた。

アルバム相当売上は1〜9月期に1億4,721万8,108枚9.9%拡大。ストリーミング消費量は第3四半期に11.4%伸び、1〜9月期では11.2%増えた。 

一方で、1〜9月期のシングル・トップ10には、英国出身アーティストが1人もランクインしていない。1位には、米国出身のノア・カーンの「Stick Season」(1〜9月期は171万6,112枚、総売上枚数227万3,030枚)がつけている。

第3四半期に限ると、マイルズ・スミスの「Stargazing(74万8,024枚)が、英国から唯一トップ10入りしている。

BPIのジョー・ツイストCEOはチャートに関して「成功」の再定義が必要だと主張。チャートで1位を獲得することはもちろん重要な成功の証だが、ストリーミングが音楽の発見と消費に与える影響を考慮すると、成功はより長い時間をかけて築き上げられるものだと認識すべきと述べた。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「UKアーティストの調子が悪いのか? 今年1〜9月期のUKシングル・トップ10は、英国出身アーティストが1人もランクインしていない。BPIのツイストCEOはストリーミング時代、チャート・インよりも長期的な消費が成功に繋がるとも指摘。確かにサブスクでは最新曲よりカタログ曲の方が再生数は多く、エバーグリーン(ずっと古びず再生され続ける曲)がキーワード。イギリスは日本に次ぐ世界第三位の音楽ソフト売上を持つ。」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。