Weverse、高価格メンバーシップ導入 レーベルとファンは「搾取」と非難
韓国のHYBEが手がけるスーパーファン・プラットフォーム「Weverse」は、12月1日から新たな高価格帯メンバーシップの提供を開始する。これについて、レーベルやファンからは「搾取」と批判の声が上がっている。同国の最大野党「共に民主党」のイ・ジュンムン議員の話を元に、韓国の英字紙であるコリア・ヘラルドが10月16日伝えた。
同社は9月、新サービス「デジタル・メンバーシップ」への参加を義務付ける内容の電子メールを130のパートナーレーベルに送信。月額2,700〜5,400ウォン(約295〜590円)で、音楽のオフラインアクセスや広告なしの動画再生などの追加特典を提供すると説明した。
現在は年額3万ウォンで、お気に入りのアーティストの独占コンテンツやお知らせなどの特典が受けられる。
提案されている収益分配は、Weverseが30〜60%、レーベルが40〜70%。割合はサブスクリプションの階層によって異なり、パートナーレーベルからは不満が噴出。ユーザーは、新しいメンバーシップの「限定特典」の付加価値がほぼないとしている。
WeverseのMAU(月間アクティブユーザー数)は約1,000万人。イ議員は「同プラットフォームなしでファン・マーケティングを行えなくなっている」とした上で、独占的な慣行を公正取引委員会が調査する必要性を訴えた。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「スーパーファン・プラットフォームはポスト・サブスクで一躍、音楽業界の中心テーマになったが、その先頭を走るHYBEのWeverseから新たな高価格帯メンバーシップが出て賛否両論、レーベルとファン双方から「搾取」と批難が出ている。本質的に深堀りのビジネス・モデルなので閾値を超えるとそういう声はどうしても出ると見ていた」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。