再結成のオアシス、北米公演はダイナミックプライシング導入せず チケット高騰を受け

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英国のロックバンド「オアシス」のマネジメントチームは9月30日、再結成に伴い開催する北米ツアーのチケット販売で、需要に応じて価格を変動させる「ダイナミックプライシング(変動価格制)」を導入しないと発表した。英国ツアーで価格が暴騰したことを受け、「問題の再発を防ぎたい」としている。 

公共放送BBCなどによると、8月31日に発売された英国・アイルランド公演のチケットは販売開始直後、事前に告知されていた150ポンドから350ポンド超まで高騰。購入希望者の殺到により、システムが価格を引き上げたものとみられている。 

これを受け、ファンからは不満が噴出。英国の競争当局は、消費者保護法の違反の疑いで、米チケット販売大手チケットマスターを調査すると発表した。 

オアシスのマネジメントチームは声明で「ダイナミックプライシングがチケットを手頃な価格にする有効な手段であることは広く知られている」とした一方で、「前例のないチケット需要と、その需要に対応できない技術が組み合わさった場合には、効果的でなくなり、ファンにとって受け入れがたい体験につながりかねない」と述べた。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「オアシス再結成で英国・アイルランドのチケットが購入者殺到で150ポンドが350ポンド超(約7万円)に高騰。需給でチケット価格が変動するダイナミックプライシングを採用したためだが、英国の競争当局がチケットマスター社を調査と報道。オアシスのマネジメントも遺憾の意を表し、米国ではダイナミックプライシングを使わないことになった。イメージが壊れかねないので使う場合でも上限みたいなものはあった方がよさそうだ」 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。