ストリーミング時代に成功するには? Spotifyの元「データの錬金術師」がアドバイス

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アルゴリズムを追いかけたり、ストリーミングサービスを 「ハック(うまく対処)」しようとしたりせず、アーティストが常にやるべき「自分たちの技術やコミュニティーを築く」ことに集中することが大切ーー。音楽データ分析ツールを手がけるChartmetricは10月9日、Spotifyの元エンジニアであるグレン・マクドナルド氏からの、ストリーミング・エコシステムで成功を目指すアーティストに向けたアドバイスを紹介した。

マクドナルド氏は「データの錬金術師」として、同社の膨大な音楽ジャンルの分類において重要な役割を果たした人物。アルゴリズム攻略による成功は短命だと指摘しつつ、純粋に自身の成長につながるものに投資すべきとの考えを示した。 

また、ジャンルに関しては「考えすぎる必要はなく、自分の心に響くシーンを見つけるべきだ」とコメント。ニッチなシーンでも没頭して、フェスティバルに出演し、仲間のバンドをサポートし、ファンとの関わりを持てば、自然と適切なプレイリストに載り、人気を集められるだろうと述べた。

一方で、たとえストリーミングサービスでプッシュされても、確かなファンベースがなければ長続きしないことに留意する必要があるとした。 

(文:坂本 泉) 

榎本編集長「Spotifyでデータの錬金術師と呼ばれたスーパー・エンジニア、グレン・マクドナルド氏がアルゴリズム攻略について「考えすぎる必要はなく、自分の心に響くシーンを見つけるべき」とミュージシャンにアドバイス。アルゴリズムでプッシュされてもリスナーの心に残らなければ意味がないので、曲作りやライブ活動などに集中するのが王道のようだ。ただ、Spotifyに用意されたプロフの編集やキャンペーンの登録、メタデータをきっちり入力しておくのは最低限やっておいた方がいいと思う」

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。