音楽著作権使用料の徴収額、過去最高を記録 国際組織のCISAC発表

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CISAC(著作権協会国際連合、シサック)は10月24日、加盟する世界の著作権管理団体の2023年の使用料徴収額を基に、「世界徴収レポート」の2024年版を公表した。 

2023年の著作物使用料総額は1309,000万ユーロ(約2兆2,000万円)、その大半を占める音楽部門は1175,000万ユーロ(約2兆円)となり、共に前年から7.6%増加。いずれも過去最高を記録した。 

音楽部門の伸びは、前年(27.6%増)から減速したものの、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前である2019年の水準を31.6%上回った。デジタル(配信)が引き続き堅調に伸びたことに加え、ライブ・コンサートやBGMなど演奏分野の回復が全体を押し上げた。 

演奏使用料の徴収額は、32億8,000万ユーロで22%拡大。2019年の水準を12.7%上回り、コロナ禍からの完全回復を果たした。一方、デジタルは9.6%増の46億2,000万ユーロと、伸びが前年(35.1%増)から減速したものの、2年連続で全分野でトップのシェアを確保した(全体の35%)。 

CISACは、世界中の音楽、映像、演劇、文芸および視覚芸術の著作権管理団体(JASRAC含む)により構成。116ヵ国・地域の227団体が加盟している。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「世界の音楽著作権の売上が過去最高に。JASRACも加盟するCISAC(著作権協会国際連合、シサック)の音楽売上は117億5,000万ユーロ(約2兆円)で前年比7.6%増、コロナ禍以前の水準も超えた。音楽ソフトで音楽出版が最も成長率がいいのと呼応している。ライブ、BGMが回復したのに加え、TikTokやInstagramなど非DSPでの音楽使用料が入るようになったのと、かつてコピー天国だった途上国も配信の普及で課金できるようになったのが大きい」

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。