音楽売上世界一のUMG、第3四半期も増収増益 COO職を新設
米ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)は10月31日、第3四半期(7〜9月)の売上高(恒常為替レートベース)が前年同期比4.9%増の28億7,000万ユーロ(約4,757億1,700万円)になったと発表した。サブスクリプション(※有料ストリーミング配信)が好調だった上、組織再編によるコスト削減などが寄与した。
売上高を部門別に見ると、音楽ソフトは21億4,600万ユーロで実質6.2%増加。うち、サブスクは8.2%増の11億3,700万ユーロ、ストリーミング(※無料ストリーミングにおける広告売上の分配)は0.3%増の3億5,400万ユーロだった。ダウンロード・その他デジタルは28.8%、フィジカルは0.7%それぞれ縮小。ライセンス・その他は21.7%増えた。
音楽出版は2.2%伸び、マーチャンダイズ・その他は3.5%拡大した。
EBITDA(利払い・税引き・償却前利益、特別損益除く)は実質8.2%増の6億2,100万ユーロ。これをベースとした利益率は21.6%と、1年前から0.5ポイント改善した。
ルシアン・グレンジ会長兼CEOは「増収増益を続ける中、先の投資家向けイベントで説明した(サブスク収入の成長やスーパーファンの収益化などの)戦略的イニシアチブが既に進展している」と述べた。
UMGは併せて、エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼CFO兼オペレーション担当プレジデントのボイド・ミュアー氏が、新設されたCOOに昇格すると発表。後任が見つかるまで、ミュアー氏はCOOとCFOを兼務する。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「世界の音楽シェア1位のユニバーサルミュージック、Q3は好調で前年同期比4.9%増の28億7,000万ユーロ(約4,757億1,700万円)。グレンジCEOはサブスク収入の成長やスーパーファンの収益化などの戦略的イニシアチブが進展と総括。年初の戦略を確実に形にしてきており、ディストリビューション系以外は穴が無い印象だ」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。