ビルボード、「Market Watch」からフィジカルのデータ消える

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音楽業界誌ビルボードが毎週発表している、米国の音楽消費レポート「Market Watch」に掲載されている売り上げデータ項目から、フィジカルに関するものが全て消えている。統計方法の変更により、前年との比較が困難になったためとみられる。Digital Music Newsが11月4日伝えた。 

それによると、10月18〜24日の統計分から、CDを含む全てのフィジカルに関するデータが掲載されなくなった。その前週には、レコードのみが削除されていた。 

このレポートは、米国のエンターテインメント業界向けデータ会社Luminate(ルミネイト)が提供したデータを基に作成されている。同社は2024年第1週分から統計方法を変更。1,500以上の独立系レコード店が対象から除外されたことで、数字が劇的に減少しており、正確な前年との売上比較が不可能になったとされている。

ここ最近の発表分では、レコードが前年比33.3%減、CDが19.1%減とそれぞれ大きく縮小したと報告していたが、全米レコード協会(RIAA)や他団体が発表しているデータから大きくかけ離れていたため、データの正確性が疑問視されていた。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「ビルボードのMarket WatchにCDなど物理売上が掲載されなくなり、ちょっとした騒ぎになっている。統計方法の変更で前年比が出せなくなったためといわれているが、前回発表のレコードが前年比33.3%減、CDが19.1%減(アメリカの話)が不正確ではと批判を受け、このようになったのかもしれない。物理売上の数字が取りにくくなってきたことに時代を感じる」 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。