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ユニバーサル ミュージックなど、TuneCoreと親会社believeを提訴 「海賊行為の横行」と著作権侵害で

ビジネス 海外

ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)およびアブコ(ABKCO)ミュージック&レコーズ、コンコード・ミュージック・グループは11月4日、音楽ディストリビューター最大手のBelieve(フランス)とその子会社でDIYアーティスト向けサービスを手がけるTuneCoreに対し、大規模な著作権侵害訴訟を起こした。believeは争う姿勢だ。両者の発表を元に、Music Business Worldwide(MBW)などが伝えた。 

UMG側は、believeが「世界で最も人気のある著作権保護された録音物」の 「産業規模の著作権侵害 」によってビジネスを構築してきたと主張。同社の侵害行為の差し止め命令と、最低5億ドル(約771億円)の損害賠償を求めている。 

訴状では、侵害が疑われるいくつかの具体例が挙げられており、「有名アーティストのオリジナル楽曲の『スピードアップ』または『リミックス』バージョンの配布」が含まれている。believeの顧客リストは、詐欺的な「アーティスト」や海賊版レコードレーベルで溢れているとした上で、believeはYouTubeなどの主要プラットフォームに著作権で保護された録音物の無許可のコピーを配信するハブとして機能することで、大きな成長を遂げたとの見方を示した。

これを受けてbelieveは「これらの主張とUMGの発言に強く反論し、戦っていく」との声明を出した。believeの声明は以下の通り。

「Believe と TuneCore は、係争中の訴訟についてコメントすることはありません。
世界中のアーティストやレーベルと仕事をする企業として、私たちは著作権の尊重を非常に重要視しています。

Universal Music Groupによるこれらの主張および発言には強く反駁し、これに対して戦っていきます。

私たちは、この業界全体の課題に対して強固なツールとプロセスを開発しており、パートナーや同業者と協力しながら取り組んできました。この取り組みを今後も継続していきます。

私たちは、約20年にわたってデジタル音楽エコシステムの最前線に立ち、インディペンデントのアーティストやレーベルの発展を支援してきました。その結果、すべての音楽ストアでTier 1ステータスを獲得し、Preferred Partner Programに選ばれています。」

(11月21日、believeの声明を追加) 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「ユニバーサルミュージックがディストリビューター最大手のbelieveと子会社のTuneCoreを著作権侵害で提訴。「有名アーティストのオリジナル楽曲の『スピードアップ』または『リミックス』バージョンの配布」を幇助したとして最低5億ドル(約771億円)の損害賠償を求めている。believeは争う意向。同社は今や国によってはメジャーに匹敵する売上シェアを持つ。今年春にワーナーミュージックが買収を試みている」 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。