TikTok、 Merlin抜きでインディーズと直接契約 収益化の転換も
インディペンデントのデジタル音楽ライセンスパートナーであるMerlin(マーリン)とのライセンス契約が終了した現在、TikTokはマーリン会員との直接契約に奔走している。こうした中、マネタイズの変更が行われたようだ。Digital Music Newsなどが報じた。
提示された報酬条件は、マーリンとの団体交渉時よりも「良くも悪くもない」との評価もあるが、大きな変更点として、楽曲の再生回数に基づいて市場シェアを計算し、ロイヤリティーを分配する方法が提案されたという。
既に直接契約を結んだマーリンの主要会員には、独立系の音楽配信プラットフォームであるユナイテッドマスターズやDittoミュージック、独立系レコード会社のべガーズ・グループが含まれる。ユナイテッドマスターズとDittoミュージックの契約にはTikTokの商用音楽ライブラリ(CML)を通じた取り組みなどが盛り込まれており、収益性の向上が期待される。
マーリンは9月、TikTokが10月31日の期限切れを前に、新たなライセンス契約の交渉を拒否したと発表。マーリン会員との直接取引を望んでおり、マーリンはこれを「会員を細分化し、ロイヤリティーの支払いを最小限に抑えるためだ」と批判。 一方のTikTokは、マーリンが詐欺対策に失敗したことが理由としている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「欧州のインディーズを取りまとめるMerlin(マーリン)との契約が途切れたTikTokだが、Merlinを飛び越えて主要会社と直接契約を狙うTikTokが、再生回数に基づいて市場シェアを計算する新しい報酬モデルを提案したようだ。かつてMerlinは英国で強いインディーズ・レーベルが主要メンバーだった印象だが、Merlinに参加するディストリビューターとTikTokが直接契約を既に成立させたことに時代の流れを感じる」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。