GEMAが「AI憲章」 業界内で人間の創造性の保護求める動きが活発に
ドイツ音楽著作権協会(GEMA)は11月5日、「AI憲章」を発表した。生成AIへの責任あるアプローチのためのガイドラインとなることを意図している。
第1原則は「生成AIの開発は、人々の幸福のために義務付けられている」とし、AIが既存の創造的な仕事を搾取してはならないと主張。このほか、知的財産権の保護、AIに作品が使用されるクリエーターに対する「公正な報酬モデル」の権利の確保、AI開発者への透明性の要求などを含む。
GEMAは9月、AIの訓練における著作権保護された音楽の使用に対処するため、 AI開発者のためのライセンシング・モデルを導入した。
業界では、責任あるAI開発を求める動きが活発化しており、10月にはDeezerやユニバーサル ミュージック グループ(UMG)を含む何千もの企業とクリエーターが「AIトレーニングに関する声明」に署名。UMGとローランドは3月、音楽制作におけるAIの責任ある使用に関する声明として「AIによる音楽創造のための原則」を発表した。
昨年に立ち上がった、AIが人間の創造性を支援する方法で使用されることを保証するための「ヒューマン・アーティストリー・キャンペーン」には、レコーディングアカデミーや全米レコード協会(RIAA) が参加している。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「ドイツ音楽著作権協会が「AI憲章」を発表。ユニバーサルミュージックなど多数の音楽企業が参加した「AIによる音楽創造のための原則」等々、音楽業界では著作権被害を防ぐだけでなく、責任ある使用、公正な報酬モデル、開発の透明性といった積極的なAI利用の土台作りが世界的な流れになっている」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。