Spotifyのダニエル・エクCEO、黒字化・AI・スーパーファン・動画について語る 第3四半期は大幅増益
Spotifyは11月12日、2024年第3四半期(7〜9月)の営業利益が4億5,600万ユーロ(約743億4,000万円)と、1年前の3,200万ユーロから大きく改善したと発表した。通期では、初めて黒字を計上できる見通し。ダニエル・エクCEOは決算説明会で、黒字化やAI、スーパーファン、動画などについて語った。
月間アクティブユーザー数(MAU)は11%増の6億4,000万人、有料会員数は12%増の2億5,200万人となった。
総売上高は40億ユーロと19%拡大。粗利益率は31.1%に改善した。
エク氏は、現在のAIの発展は「スリリングであると同時に屈辱的でもある」と評価。音楽発見における変革的なシフトと、アーティストとファンを強く結びつける革新的な手段となる可能性を見て、前向きに取り組む姿勢だ。
スーパーファンの収益化に対しては「われわれの原則は常に『消費者に愛され、かつクリエイターにも価値を還元できるものをどう作るか』」だとした上で、スーパーファンが何に価値を置いているのか、ヒントを探せるとコメント。「具体的なことは言えないが、アーティストとの近さや、より良い音質、他にもいろいろある」と述べた。
動画事業の拡大にも注力するとしている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「長年赤字体質だったSpotifyだが粗利益率も31.1%と改善し、総売上高も19%増加。エクCEOは決算説明会で生成AI、スーパーファン、動画事業について言及した。動画事業については昨日お伝えした通り来年1月からYouTubeやTikTokのようにクリエイターへの還元が始まり、コメント機能のほか、他プラットフォームに投稿した動画も載せられるようになる」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。