テンセント・ミュージックの高価格帯プラン、加入者1,000万人超え 有料の1割
中国最大の音楽配信サービス運営会社テンセント・ミュージック・エンタテインメント・グループ(TME)は11月12日、2024年第3四半期(7〜9月)の業績を発表した。オンライン音楽プラットフォームの高価格帯プラン「スーパーVIP(SVIP)」の会員は、1,000万人を突破。有料会員の8.4%を占めている。
この結果、オンライン音楽プラットフォーム有料会員1人当たりの月平均課金額(ARPPU)は10.8人民元(約1.5ドル)と4.9%拡大した。月間平均利用者数は5億7,600万人と3%縮小した半面、有料会員は1億1,900万人と15.5%拡大している。
SVIPは月額およそ40人民元(約5.6ドル)で、同社の音楽ストリーミングサービスにおける一般的な有料プラン(8人民元、約1.12ドル)との価格差はおよそ5倍。 Spotifyも高価格帯プラン導入の準備を進めているが、通常プランとの差額は50%増を計画している。
オンライン音楽サービス部門の売上高は20.4%増の54億8,000万人民元。このうち、有料契約による売り上げは38億4,000万人民元と20.3%伸びている。
TMEは音楽配信サービス「QQ Music( QQ音乐)」「Kugou(酷狗)」「Kuwo(酷我)」のほか、ソーシャルカラオケゲーム「WeSing(全民K歌)」を運営している。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「中国最大の音楽会社テンセント・ミュージックがQ3の業績を発表。スーパーファンを意識した高価格帯プラン『スーパーVIP』が1000万人突破。音楽サブスクの有料会員の8.4%に。他に月額会員売上を超えるカラオケのギフティング売上など、中国はポスト・サブスクでは先に行っており、株主であるSpotifyも予想通り高価格帯プランを踏襲しようとしている」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。