Apple、Apple Immersive Videoの音楽シリーズ「Concert for One」を公開
Appleは11月22日、Apple Immersive Videoで撮影した最初の音楽シリーズ「Concert for One」を公開した。一流のアーティストによる至近距離でのパフォーマンスを体験できる没入型音楽体験で、初回はブリット・アワードで史上最多6部門に輝いたレイ(RAYE)が20人編成のバンドとともにパフォーマンスを披露している。
ゴーグル型のMR(複合現実)デバイスであるApple Vision Proを使って視聴でき、さらにApple Musicで空間オーディオの独占配信も行われる。
Apple Vision Proの価格は3,499ドル(約53万円)で、1〜9月の販売台数は推定約37万台。レイのSpotifyの月間リスナー数はその74倍以上で、Digital Music Newsは、Concert for Oneのリーチを同デバイスのユーザーベース以外にも拡大する試みは、複数の面で理にかなっていると述べた。
Apple Immersive Videoは、超高解像度の没入型ビデオと空間オーディオを活用して、視聴者にその場の中心にいるような感覚を与える、180度の視野角のメディアフォーマット。 同月14日には、このメディアフォーマットで撮影された初のミュージックビデオ(MV)「ザ・ウィークエンド:Open Hearts」が公開された。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「Apple Vision Proで楽しめる音楽シリーズ『Concert for One』が公開。ブリット・アワード最多部門受賞者RAYEの20人編成バンドを、超高解像度の没入型ビデオと空間オーディオで楽しめる。Apple Vision Proの販売台数は年内50万台に到達しないと言われているが、全固体電池の採用による薄型化など技術革新が起こればスマートグラスの普及が始まる日は来る。そのとき最も影響を受けるのは今、スマホの小さな画面に閉じ込められている音楽映像のような気がしている」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。