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ドイツ音楽著作権協会、「ChatGPT」の米OpenAIを提訴

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ドイツ音楽著作権協会(GEMA)は11月13日、「ChatGPT」を開発した米国のOpenAIを提訴したと発表した。同社がChatGPTを通じて、ドイツの著作者による保護された歌詞を、ライセンスを取得せず、また使用料を払うことなく複製していると主張している。

訴訟の目的は、「OpenAIがGEMAのレパートリーを体系的に使用してシステムを訓練していることを証明すること」だと説明している。

同団体は「簡単なプロンプトが入力されると、(ChatGPTは)明らかにシステムが学習したオリジナルの歌詞を再現する」と強調。「他のインターネットサービスが著作者の文章を使用する際に著作者にライセンス料を支払っているのに対し、OpenAIは組織的に著作者のコンテンツを使用し、故意に著作権を侵害している」とし、「公正な報酬が回避されている」と述べた。

GEMAは同月5日、生成AIへの責任あるアプローチのためのガイドラインとなることを意図した「AI憲章」を発表。9月には、AIの訓練における著作権保護された音楽の使用に対処するため、AI開発者のためのライセンシング・モデルを導入した。

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「ドイツ音楽著作権協会(GEMA)がChatGPTのOpenAIを提訴。著作権のある歌詞を学習に使ったのが理由だが、GEMAは公正な報酬モデル、AI開発者の透明性などを求めたAI憲章も進めており、提訴はその一環。なんでも反対という時代ではなく、AIの積極的利用の下地づくりとしての訴訟という側面が強いのでそこは見誤らないほうがいい 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。