米上院議員、AI開発者に透明性求める法案を提出 音楽業界も支持表明
米上院で11月26日、AI開発者に透明性を求める「TRAIN法案(Transparency and Responsibility for Artificial Intelligence Networks Act)」が提出された。レコーディングアカデミーや全米レコード協会(RIAA)をはじめとする音楽業界団体や、世界3大メジャーレコード会社などが支持している。
AI開発者にAIモデルの訓練に使用した素材の開示を義務付けるもので、権利者が自分の作品が同意なしに生成AIツールの訓練に使用されたと疑われる場合にのみ適用される。
この法案を提出したピーター・ウェルチ上院議員(民主党)は、AI開発者が著作権保護された素材を使用する際の「ブラックボックス」問題に対処するためのものだと説明している。
米国ではこれまでも、NO FAKES法案(本人の同意なしに、声や肖像をまねた作品を作成することを禁じる法案)や、COPIED法案(編集やディープフェイクされたメディアからコンテンツの出所を保護するとともに完全性を確保する法案)といった、さまざまなAI法案が提出されているが、立法化に至っていないのが現状だ。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「米上院でAI開発者に透明性を求める「TRAIN法案」 提出。米レコ協(RIAA)や三大メジャーも支持しているが、これまでもいくつかAI法案が提出されるも議会を通過していない。著作権関連の法案は超党派で進むことが多いが、そうは言ってもサクサク進む話題でもないので、大統領・上院・下院が共和党一色となる第二次トランプ政権でどうなるか。かつてデジタル著作権法改正が米国で進んだときは、人類にかなりの影響があったが(拙著参照)、おそらくAI関連法案もそうなるだろう」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。
広告・取材掲載