島村楽器、ギター試奏のハードルを下げるロボット「マティモ」開発
島村楽器は、ギター試奏のハードルを下げるロボット「マティモ」をペノテアスタジオと共同開発した。
楽器店でギターを試奏する際、「初心者の自分が弾いても大丈夫なのか」「緊張する」「堂々と弾けない」といった不安を感じる来店者が少なからずいることが、島村楽器で働く従業員へのヒアリングにより明らかになった。
そこで、「試奏をサポートしてくれるロボットがいれば、ギター試奏に対する不安の解消やハードルを下げられるのではないか」と考え、本製品の開発に至った。
「マティモ」は、音、道具、風景のための発明とデザインを行うクリエイティブスタジオ・ペノテアスタジオの代表・中村優生氏と共同開発。デザインやシステムの細部に至るまで、こだわり抜いて製作されているとのこと。
「マティモ」には、ギターの音を入力し解析するプログラム、表情のプログラム、ストーリーを推移するためのプログラムなど、複数のソフトウェアが搭載されている。
また、ハードウェアにおいては音に大きな特徴があり、一般的なスピーカーによる音声出力ではなく、ペノテアスタジオで独自に研究している「マテリアルハーモニクス」という技術を採用。スピーカーによる音の”再生”ではなく、人間や動物のような存在感のある物質的な音を奏でることが可能となり、誰かとセッションしたときのような温もりを感じられる。
実際の演奏体験は、表情パネル(液晶パネル)下部のジャックにギター(ギターシールド)を接続するとスタート。いくつかのコードを表情パネルに表示するほか、弾けているかどうかを感知する機能も備えている。
最後は「マティモ」が奏でるリズムに合わせて一緒に演奏することができ、ギターの試奏にハードルを感じている人でも楽しい試奏を体験することができる。
現在のところは、簡易的な試奏サポート機能のみの搭載しているが、今後はセッション機能などを追加し、中上級者も楽しめる機能を発展させていく予定。
なお、12月7日・8日に開催されるリアル店舗とオンラインを融合させたハイブリッドなギターイベント「ギタラバTOKYO」東京会場にてテスト展示する。
中村優生氏 コメント
ペノテアスタジオでは、実験的な製品の企画やデザイン、エンジニアリングを手がけるほか、自作楽器を使った演奏パフォーマンス活動なども行っています。今回「マティモ」の機能や佇まいの最適解を探る中で、これらの活動を通じて得た知見やアイデアも自然と重なり反映されていきました。「マティモ」を通じて音楽や楽器演奏をこれまでと異なる視点で楽しむ、新しい入口となることを期待しています。生まれたばかりですが、ぜひ温かく見守り、仲良くしていただけるとうれしいです!
広告・取材掲載