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音楽クリエーター、生成AIで1.6兆円の損失も 今後5年で

ビジネス 海外

CISAC(著作権協会国際連合、シサック)は12月4日、音楽・オーディオビジュアル(AV)分野におけるAIの経済的影響を測定する世界的調査の結果を発表した。生成AIが市場に浸透することで、音楽クリエーターの収入は、2024年から2028年までの5年間で、総額100億ユーロ(約1兆6,000万円)減少する可能性がある。 

2028年に限ると40億ユーロの損失となり、音楽における生成AIサービスの売上高は同水準(40億ユーロ)に近づくことが予想されている。 

音楽クリエーターの収入は、「生成AIがない状況」と比較した場合、同年に24%がリスクにさらされることとなる。このうち、ストリーミングを筆頭とするデジタルソースからの収入は、30%減少する恐れがある。 

生成AIによる音楽出力の推定市場価値は、2023年の10億ユーロから、2028年には160億ユーロに拡大する見通し。従来のストリーミング・プラットフォームにおけるAI楽曲によるものが大半を占め、これにB2BのAI音楽プロバイダー、AI音楽専用のストリーミング・サービスが続く。 

AIが生成した楽曲は、2028年までにストリーミング・プラットフォームの収益の約20%を、音楽ライブラリーの収益の約60%をそれぞれ占める可能性がある。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「音楽クリエーターの収入は5年間で約1兆6,000万円(100億ユーロ)減少する可能性があるとCISAC(著作権協会国際連合)の調査結果。「盛り過ぎ」とお感じになるかもしれないが、以前記事化したようにBeatdappの調査では音楽のストリーム総再生回数の少なくとも1割が詐欺で、生成AI等でなりすました詐欺グループが年間3,000億〜4,500億円(20億〜30億ドル)を掠め取っている。最近も14億円を生成AIでサブスクから詐取した音楽プロデューサーが出て騒ぎになった。音楽産業はただ取り締まるだけでなくユニバーサルミュージックのグレンジCEOを筆頭に、生成AIがアーティストへ貢献する環境の整備を急いでいる 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。