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英国、2024年は72のフェスがキャンセル

ビジネス 海外

英国では2024年、72件のフェスティバルの中止(延期・キャンセル・完全閉鎖)が発表された。前年(36件)から倍増している。英国を代表する非営利のフェス業界団体「インディペンデント・フェスティバル協会(AIF)」が11月26日に公表した。 

完全閉鎖が発表されたものの1つには、31年の歴史を持つ「テンターデン・フォーク・フェスティバル」(イングランド・ケント州)があり、コストの高騰などが理由としている。 

2019年以降に失われたフェスは、累計で204件。このうち、96件が新型コロナのパンデミック(世界的大流行)により消滅した。 

AIFは2月、このような危機的状況を打開すべく、フェスのチケットにかかる付加価値税(VAT)を今後3年間にわたり従来の20%から5%へと引き下げるよう政府に働きかけてきたが、いまだ実を結んでいない。同協会は、政府の支援がなければ、2024年に100件以上がキャンセルされる可能性があると警鐘を鳴らしてきた。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「英国のフェス中止は2023年に36件、2024年に72件とここ二年で急増。コロナ禍のときと違い、今回はインフレによるチケット高騰で客を失ったのが主な原因。米国のデータだがPollstarによるとTOP100興行の平均チケット単価は2019年の$92.42から2024Q3には $126.55へと37%高騰・フェスバブル崩壊が懸念されているという記事がバズった。日本のインフレは弱めとはいえ、イベント関係者の感想を聞いていると対岸の火事ではない」 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。