コーチェラ、チケット販売なおも低調
毎年4月に米国で開催されている音楽フェスティバル「コーチェラ」が、チケット販売に苦戦している。1週目が完売せず、2週目も全券種で広く入手可能な状態だ。Digital Music Newsが12月2日、伝えた。
例年ソールドアウトとなるチケットだが、2024年にはラナ・デル・レイ、タイラー・ザ・クリエイター、ドージャ・キャットをヘッドライナーに迎えるも完売に至らなかった。主催のゴールデンボイスは状況を打破すべく、2025年にはレディー・ガガ、グリーン・デイ、ポスト・マローン、トラヴィス・スコットといった大物を起用したが、依然として売れ行きは芳しくない。
コーチェラの人気は、音楽ファンだけでなく、セレブやインフルエンサーも大きく支えてきた。だが、Digital Music Newsは、インフルエンサーや富裕層の間では、ラインアップに関わらず、参加する流行が過ぎ去った可能性を指摘。コーチェラではもはや音楽ではなく、バーニングマンのように、そこにいる間の体験が重要視されるようになってきたとの見方を示した。
現時点では、1週目の一般入場券は完売しているが、VIPパッケージは2週とも残っている。一般入場料(3日間)は549ドル(約8万4,000円)で、例年より値上がり。 ホテル・パッケージは約3,300ドルから始まり、最高は9,000ドルを超える。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「世界最大級の音楽フェス、コーチェラのチケット販売が苦戦。近年、フェスとサブスクは成長ドライバーだったがその時代も終焉に近づいているとここ数年、拙著や連載で指摘してきたが、いよいよという印象を受けている。やはりチケット高騰が響いているようだ。記事にある通り、それに呼応してバーニングマンのような体験重視のイベントが注目されるようになっている」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。
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