AI学習対策か? Spotify、サードパーティー開発者に内部データのアクセス制限
Spotifyは11月27日、サードパーティーの開発者による内部データへのアクセス制限を発表した。AIモデルの訓練に使われるのを防ぐためではないかとの憶測を呼んでいる。Music Business Worldwide(MBW)が伝えた。
この変更について、Spotifyは「より安全なプラットフォームを作る目的だ」と説明。同プラットフォームのAPIを使って、Spotifyユーザー向けのアプリを制作しているサードパーティー開発者の間で物議を醸している。
アクセスがブロックされたのは、レコメンデーション、関連アーティスト、フィーチャー・プレイリスト(Spotify独自のアルゴリズムで作成されたプレイリスト)、カテゴリー・プレイリスト、30秒間のプレビューURLなど。オーディオ機能(キーなどトラックの特質を説明)や、オーディオ分析(BPMなどトラックの情報)も含まれる。
今回の変更は、新規のサードパーティーアプリに適用され、既存アプリなどは影響を受けない。
Spotifyはここ数年、AIを搭載した機能(AI DJやAIプレイリスト)を展開。フィナンシャル・タイムズ紙は2023年、ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)がSpotifyとApple Musicに、AIサービスによる無許可のスクレイピング(ウェブコンテンツから特定のデータを自動抽出)を防ぐよう求めたと報じた。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「SpotifyのAPIが大幅に制限された。外部がAIの訓練にSpotifyのデータを流用しないため。ユニバーサルミュージックが求めていた措置でもある。実際、SpotifyのAPIからは大盤振る舞いと言っていいほどのデータがこれまで取れた。ネットの世界にSpotifyのエコシステムを張り巡らせるための戦略だったとお思うが近年、Spotifyは単独でのAI開発に注力している。以前もアプリ内アプリをサードパーティ向けに展開してプレイリスト文化を育てようとしたが、プレイリストを独自作成する体制に切り替えた経緯がある」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。
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