ぴあ総研、ライブ・エンタテインメント市場規模を6,994億円から7,100億円に上方修正
ぴあ総研はライブ・エンタテインメント市場はコロナ禍からの回復フェーズを超え、次なる成長局面へと移行しつつあることから、2024年の市場規模予測を前回(2024年6月公表値)から上方修正した。
2023年、コロナ禍から3年が経過。感染症法の変更により社会活動が正常化するなか、ライブ・エンタテインメント市場は力強い回復を遂げた。市場規模はコロナ禍前(2019年)を大幅に上回る6,857億円に達し、大規模イベントの開催増加やチケット平均単価の上昇がその成長を牽引。ただし、回復のペースにはエリアや規模による差がみられる。大都市での大規模イベントが市場全体を支える一方、地方や中小規模会場での公演回数や観客動員数の回復は遅れ、結果として市場の二極化が進行している。
2024年のライブ・エンタテインメント市場規模を前回予測(2024年6月時点)の6,994億円から7,100億円に上方修正した。この背景には、大規模イベントのさらなる増加と平均単価の上昇傾向が挙げられる。この傾向は今後しばらく続くとみられ、国内人口の減少による市場縮小リスクをカバーし、2030年時点のライブ・エンタメ市場規模は約7,600億円(ベースシナリオ)に達すると試算している。ただし、業界の成長にはいくつかの課題も。回復が地域や規模によって偏在していることに加え、深刻な人手不足が顕在化し、持続的な成長を阻む要因となる可能性がある。これらの課題への対応が、今後の市場発展のカギとなりそうだ。
なお、ぴあ総研が調査/編集を行った『2024 ライブ・エンタテインメント白書』の最新版が発刊された。本書では、2000年よりぴあ総研が毎年実施している国内ライブ・エンタテインメント市場規模の直近データを収録し、コロナ禍前の水準を超えて過去最高規模となった2023年のライブ・エンタテインメント市場を、定量・定性の両面から深く分析している。
巻頭レポート「日本のライブ・エンタテインメント産業の未来戦略」では、コロナ禍で約8割の市場を失いながらも急速な回復を遂げた国内ライブ・エンタテインメント市場の現状と将来予測を解説。さらなる成長を実現するための、海外展開の方向性について提言している。
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