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UMG傘下のヴァージン、ダウンタウン・ミュージックを1,200億円で買収 インディーズ業界が猛反発

ビジネス 海外

ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)のインディーズ音楽部門であるヴァージン・ミュージック・グループ(VMG)は2024年12月16日、米ダウンタウン・ミュージック・ホールディングス(DMH)を買収することで合意したと発表した。 同社はB2Bディトリビューターの「FUGA」などを傘下に抱えている。

取引額は7億7,500万ドル(約1,213億5,900万円)。取引は規制当局の承認を経て、2025年後半に完了する見通し。 

DMHは、アーティスト&レーベル・サービス、ディストリビューション、ロイヤリティー&金融サービス、出版を中心に、音楽サービスを展開。145カ国で5,000社以上の企業顧客と400万人以上のクリエーターにサービスを提供している。事業ポートフォリオには、FUGAのほか、DIYアーティスト向けの「CD Baby」、ダウンタウン・アーティスト&レーベル・サービス、ダウンタウン・ミュージック・パブリッシング、音楽出版向け権利管理プラットフォーム「Songtrust」などが含まれる。 

今回の買収計画には、インディーズ音楽業界団体の「IMPALA」(欧州)や「AIM(Association of Independent Music)」(英国)、インディーズの国際的な音楽出版社団体「IMPF(Independent Music Publisher’s International Forum)」など、世界各地の独立系音楽業界団体から抗議の声が上がっている。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「昨年は冒頭からTuneCore親会社のbelieve社をワーナーが買収するかで業界は騒ぎになり、本誌でもbelieveのインタビューがバズったが、今度はユニバーサル傘下のヴァージンが、believeのライバルFUGAとCD Babyを傘下に持つ米ダウンタウン・ミュージック・ホールディングスを買収することになった。FUGAのインタビューも私は昨年しているが、なぜディストリビューターがグローバル・メジャー級の影響力を持つに至ったのか、そして新たにレーベル・サービスをやろうとしているのか、メジャーがディストリビューターを確保使用しているのか、よく分かるので合わせて読んでいただければ幸いだ。TuneCore Japanのインタビューもやった。ソニーはこの件では先見の明があり、2015年にディストリビューターのOrchardを買収して組み込んでおり、日本ならYOASOBIがOrchardのディストリビューションとソニーのレーベルを両方、活用している」 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。