AirPodsの年間売上、任天堂やSpotifyを上回る2.9兆円に
ブルームバーグの推計によると、Appleの完全ワイヤレスイヤホン「AirPods」の2023年の売上高は180億ドル(約2兆8,500億円)となった。これはSpotify(140億ドル)、任天堂(120億ドル)、eBay(100億ドル)、Intuit(120億ドル)の総売上高を上回る水準だ。Digital Music Newsなどが伝えた。
累計出荷台数は推定5億5,000万台。同製品は2017年、ヘッドホン・ジャックを搭載しない初のiPhoneとして登場したiPhone 7と併せて販売開始となった。
AirPodsは最も売れているワイヤレスイヤホンで、米国に限ると市場シェアは約34.4%。ヒアラブル市場でも世界トップシェア(19%)を誇り、これにソニー(17%)やサムスン(16%)、BOSE(10%)、ゼンハイザー(5%)、LG(4%)、Jabra(2%)といったブランドが続く。
AirPodsは、Apple全体の売上高の約5〜7%を占めている。AirPodsの2024年の売上高は推定220億ドルで、2030年までには450億ドルに達し、iPadの売り上げを上回ると予想されている。Appleは同年までにiPhone購入者の6割がAirPodsを装着するとみている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「AppleのAirPodsの売上規模は凄まじく、2023年時点でSpotifyや任天堂の年間売上をも上回った。2024年にはiPhone購入者の6割がAirPodsを装着し、2030年までにはiPadの売上も超えると予測されている。拙著でも取り上げたが2018年時点でヘッドフォン市場は音楽ソフト市場よりも大きく、今ではAppleは、売上シェアでもウォークマンでイヤホン文化を創出したSonyのシェアをも上回っている。2014年に赤いコードとファッション性で王者Sonyと一気に並んだヘッドフォン・ブランドBeatsを買収。Beatsの作った音楽サブスクも入手してそれをApple Musicに変え、ロスレス、ハイレゾで高音質路線を打ち出し、iPhoneの普及率を活用して10年がかりで音楽ハード市場でもここまでの地位を確立した」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。
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