米国「TikTok禁止法」、1月19日にも施行 中国当局がマスク氏に売却検討か
米国で「TikTok禁止法」の施行が1月19日に迫っている。運営元であるバイトダンス(北京字節跳動科技)はこれを「違憲」として法廷で争っているが、敗訴となれば、米国で1億7,000万人が利用しているプラットフォームを閉鎖する可能性があるとしている。ブルームバーグは13日、情報筋の話として、中国当局がTikTokの米国事業を、米実業家でX(旧ツイッター)を所有するイーロン・マスク氏に売却することも検討していると伝えている。
マスク氏の保有するXがTikTok米国法人の経営権を取得し、共同で事業を運営することになる可能性もあるという。
同月10日に最高裁判所で開かれた口頭弁論では、バイトダンス側の代理人が「(19日の)期限までに売却を完了させることは不可能だ」と主張。また、米民主党議員はバイデン大統領に期限の延長を要請し、20日に就任を控えているトランプ次期大統領は、裁判所に施行の延期を求めたとされる。
米国では昨年4月、米国内で中国など「敵対する外国」の企業が管理するアプリの配信を禁じる法案が成立。TikTokは米国事業を非中国企業に売却しなければ、2025年1月から全米で利用できなくなる。ただ、1月19日に法律が施行されても、TikTokの新規ダウンロードは禁止されるものの、既存ユーザーは一定期間、アプリにアクセスし続けることができる。企業はサポートを提供できなくなるため、サービスが低下し、最終的には機能しなくなるとみられる。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「4日後1/19に迫るアメリカTikTok禁止法の施行だが、中国のバイトダンス社は、Xの所有者でもあるイーロン・マスク氏にTikTokを売却も検討中と報道が流れてきた。アメリカ10代の73%が毎日YouTubeを利用、TikTokは57%だ。米ビルボード1位の13曲と英オフィシャル1位の10曲がTikTokのトレンドとリンクしており、ドイツではチャートの4分の1がTikTok経由だった。日本もTikTok発のヒット曲は当然となったが、TikTokの普及率は国内でまだまだ成長の余地があったので、その行方は音楽業界にも影響が大きそうだ」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。
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