ソニー・ホンダモビリティ、 Spotifyと提携 Amazon MusicとAudibleも連携
ソニー・ホンダモビリティ(SHM)は1月6日、車内のエンタテインメントサービスの拡充に向け、Spotifyとパートナーシップを締結したと発表した。併せて、Amazon MusicとAudibleも、車載システムから直接利用できるようになると明かした。
同社の電気自動車(EV)ブランド「アフィーラ(AFEELA)」の顧客は、車内エンターテインメントシステムから直接Spotifyにアクセスできるようになり、個人のデバイスから車内までシームレスなオーディオ体験が可能となる。お気に入りのプレイリストや最近再生した曲、パーソナライズされたおすすめの曲のほか、1億曲以上の音楽や600万タイトルのポッドキャスト、35万タイトルのオーディオブックから成るSpotifyの豊富なライブラリから、好みに合わせたコンテンツをいつでも楽しめる。
SHMはこの日、米国で開催されていた世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2025」で、同社の最初のモデルとなる「AFEELA1」を米カリフォルニア州で年内に正式発売すると発表。同社独自のノイズキャンセリング技術・知見を融合させた圧倒的な静粛性と最適に配置されたスピーカーとソニーの立体音響技術を駆使し、没入感のある音場で高品質なオーディオ体験などを提供するとしている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「ソニー・ホンダモビリティのEVが今年いよいよ発売とCESで発表され、音楽に関してはSpotifyとのシームレスな統合がなされる。それだけなら新しくは無いかもしれないが、実はEVから自動運転へ向かう車内空間は、スマホとワイヤレスで全盛期を迎えたイヤホン文化の次に待っている新しいフロンティアでもある。AFEELAは圧倒的な音響空間と静粛性を実現しているというが、イヤホンでは実現できないスピーカーの音楽的快楽をオーディオマニアから一般に解放する場所として、例えばそこにAIを活用して音響を再生成していくことはこれからの技術だ。またSiriのような音声UIも、あるいは既存のレコメンデーションエンジンも運転中に聴きたい音楽を引き出すものとしては不完全で、Spotifyのような音楽プラットフォームと協業してその方面に技術革新を進めていくことになるだろう。イヤホン文化を作ったのはソニーのウォークマンだったし、若き本田宗一郎が今いたら理屈なしにEVや自動運転に挑戦していただろう。そうした歴史を知っていると二人の企業が手を組んで新しい音楽空間を作る方向に向かっているのは感慨深いものがある。ちょっと記事コメントでは書ききれないくらいだ」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。
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