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英国の音楽ストリーミング配信収入、2024年は8%増 Spotify値上げ(9%)が後押し

ビジネス 音楽業界

英国のデジタルエンターテインメント小売業協会(ERA)は1月8日、英国の消費者が音楽配信サービスに費やした金額が2024年に20億1,840万ポンド(約3,886億2,800万円)となり、前年比7.8%増拡大したと発表した。小売りベースで、広告付きプランからの収入は含まれていない。 

金額ベースでは、1億4,640万ポンド増加。Spotifyの値上げが全体を押し上げたとみられる。Spotifyは昨年、英国で個人プランを月額11.99ポンドと1ポンド引き上げ、デュオプランとファミリープランもそれぞれ2ポンド増額。2023年にも値上げしていた。 

英国の競争当局によると、同国における全音楽ストリーミングの月間アクティブユーザー数(無料・有料問わず)に占めるSpotifyの市場シェアは、2021年12月時点で50%を超えていた。 

フィジカル(CDとレコードを含む)は6.2%増の3億3,010万ポンド、ダウンロードは3.2%減の4,130万ポンド。ストリーミングとフィジカル、ダウンロードを合わせた全体の売上高は7.4%増の23億8,980ポンドと、2001年の22億2,200万ポンドを上回り、過去最高を記録した。ただ、これはインフレが加味されておらず、英中銀のデータによれば、2001年の22億2,200万ポンドは、2024年末には40億8,100万ポンドの価値があった。 

音楽、ビデオ、ゲームを合わせた英国のエンターテインメント売上総額は、2024年に120億900万ポンドと、2019年比で50%以上の伸びを示した。初めて120億ポンドを突破し、12年連続のプラスで、8年続けて過去最高を更新した。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「英国のアルバム相当売上が昨年に9.7%増というニュースで、「じゃあ最近話題にしている先進国のサブスクの伸び悩みはどうなってるのか」続報を待つと書いたが、」英国の消費者が音楽配信サービスに費やした金額は前年比7.8%増(広告売上抜き)。「伸びてるじゃん」とそれだけ見るとなるが、実際にはこの年SpotifyやApple Musicが£10.99/月→£11.99と9.1%値上げしているので「値上げ効果がほとんど」と推察。同国のストリーミングは音楽消費全体の88.8%だ。最終的な情勢の判断はBPIの続報を待ちたいがだいたい答えは出た」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。